カンジダについて

カンジダというのは真菌というカビの一種に属する菌です。カンジダを含めて、真菌というもの自体、身体のあちこちに常在するもので、膣の中でいえば、正常人の約1割には検出されるものであるといわれています。
このカンジダが何らかの原因によって(例えば、身体の抵抗力を落とした場合など)異常に増殖し、おりものがおかしいと自覚され、また外陰部にかゆみを自覚するようになって初めて、カンジダ膣外陰炎という疾患名がつきます。「酒かす状」「チーズのような」「黄緑色っぽい」「固まった牛乳のような」おりものが増えてきて、外陰部に「痛がゆい」「ピリピリするような」「しみるような」かゆみが起こってくるようになります。
カンジダ膣炎の治療法として有効なのは膣洗浄で、たいがい1週間〜10日ほど通院して膣洗浄を行なうだけで完治します。2週間膣洗浄に通っても治らない場合には、カンジダ以外の病気を疑った方がいいかもしれません。


ヘルペスについて

外陰部ヘルペスというのは、単純ヘルペスウィルスにより起こる疾患で、症状は外陰部に形成される口内炎に似た病変(潰瘍)と、それに伴う外陰部の疼痛(激痛)です。
性行為などにより感染が起こると、3〜7日の潜伏期間をおいて急に発症し、時には発熱を伴うこともありますが、多くはひどい痛みに襲われます。
外陰部にできた潰瘍病変は触れると激痛を感じるため、排尿困難となることもあり、さらに歩行困難になることすらあるため、入院治療を必要とすることもしばしばです。
また、ヘルペスは再発を起こしやすい疾患で、再発した場合には初感染ほどの激烈な症状は現れず、軽い症状のみで比較的短期間に治癒することが多いようです。放置しても1週間以内で自然に治ってしまうこともありますが、2週間以上治癒せずに長期化することもまれではありません。
治療には点滴静注、軟膏、内服があり、病状に応じて使用します。たいていは治療開始から1週間ほどで治癒します。


尖圭コンジローマについて

尖圭コンジローマ病変の特徴は外陰部(または膣内、子宮頸部など)に発生する、鶏冠様の突起物であり、「尖った小さなできものが触れる」として自覚されます。通常は突起物に触れる以外に症状はありませんが、カンジタを合併してかゆみを感じる場合もよく見られます。
感染は性行為によるもので、感染してから3ヶ月ほどの潜伏期間を経て発症します。最初は小さな「イボ」のようなできものとして、そのうちに先端が尖っているものとして自覚するようになります。これが「尖圭」の名前の由来でもあります。米粒状のものから、大きなものではふきのとうほどになるものもあります。外陰部や膣内には認められるものの、大腿部や臀部にまで拡がることはなく、また男性側では亀頭部分に認められることがほとんどで、こちらも陰部以外に拡がることはありません。
治療は電気凝固、レーザー蒸散、冷凍療法などで外科的に切除する方法と、抗ガン剤の軟膏を塗布する方法とがあります。


クラミジアについて

クラミジアは現在、性行為感染症(STD)の中で最も多く、しかもさらに蔓延しつつある疾患です。
感染は性行為により起こります。女性では最初に子宮頸管に感染して子宮頸管炎を起こしますが、症状として現れることはほとんどなく、多少おりものが多い程度の自覚症状しかないために放置されることが多いようです。男性側では排尿時に痛みがある、尿に膿が混じって出てくるなど、尿道炎の症状として現れることが多いようですが、無症状の場合もあります。
子宮頸管炎を放置すると、クラミジアは上行性に感染を拡大し、子宮内膜、卵管、そして最後には骨盤内へと拡がっていきます。卵管や骨盤内で炎症がひどくなると、腹痛や発熱を起こすようになり、ひいては骨盤内で癒着を起こしたり、卵管を閉塞する結果となって、不妊症や流産、子宮外妊娠の原因となります。
治療は抗生物質の服用が主体です。1〜2週間の服用で大抵は治療が可能です。性行為感染をすることから、治療はパートナーとともに行なうのが望ましく、両者ともに完治をしたうえで性行為に及ばなければ、一度完治したのに再感染を繰り返すことになります。


トリコモナスについて

トリコモナスというのは、ゾウリムシやミドリムシなどと同じ原虫の仲間です。このトリコモナスによる感染は、膣内に起こりますが、外陰部やその周辺、子宮腔内などにも感染し、炎症を起こすこともあり、総じて膣トリコモナス症と呼ばれます。
トリコモナスの感染は、主に性行為によるものですが、他に浴槽や公衆浴場、温泉などで感染するケースもまれではなく、また手指、タオルなどが感染源になることもまれながらあり、感染経路が全く不明という場合もしばしばあるようです。
症状としては、黄色く水っぽいおりものとして自覚するようになり、膣の中に灼熱感を伴うようなかゆみを感じ、しばしばおりものが悪臭を伴うものとして自覚されます。また尿路に感染が及ぶ場合もあり、この時には頻尿や排尿痛を自覚することがあります。 治療としては、内服薬、膣錠の使用が一般的です。性行為により容易に感染することから、夫婦間などであっちへ行き、こっちへ行きという連続感染(ピンポン感染)を起こすことがあるため、同時にパートナーにも内服してもらい、一緒に治療することが大切です。


梅毒について

梅毒は、トレポネーマ・パリダムという微生物(細菌と原虫の中間)が粘膜を介して感染する病気です。感染後、3週間くらいの潜伏期間を経て、外陰部に直径1cmくらいの痛みのない軟骨くらいの堅さの初期硬結ができ、まもなく表面が潰瘍となります。男性は冠状溝、包皮内板、亀頭、陰茎皮膚、陰嚢、女性は膣入口、膣壁、子宮頸部に発生するようです。感染後3ヶ月で、肛門周辺、外陰部、乳房の下辺り、へそなどに赤いぶつぶつが出てくるようになります。
診断には検査が必要で、血液の血清反応を行ないます。症状が出ている場合には、ほどんど陽性(+)にでますが、症状のない場合には、感染の機会があってから6週間くらい過ぎていないと判定できません。不安のある方は一度受診してみてください。